FXは、各通貨ペアの組み合わせによって取引されているため、特定の国の経済状況を表す経済指標の発表内容によっては、かなり大きく動く可能性があります。そのため、私たちトレーダーは日々発表されている経済指標の内容には注視しながらFXを行う必要があります。
ただ、日々発表されている経済指標は数多くあるため、FX初心者の方の中には、重要な経済指標とあまり重要ではない経済指標の見分け方が分からないという方もいると思いますが、FXにおいて重要な経済指標は限られているのです。
今回の記事では、FXで重要となる経済指標について解説します。FX初心者の方は、今回の記事で解説する経済指標の発表時間には十分注意して取引を行う必要があります。
FXで重要となる経済指標について
ここからは、私の経験を元にした、FXではその発表時に為替相場が大きく動く可能性がある経済指標について、いくつか解説していきます。そのため、これから解説する経済指標の発表時間には十分注意して下さい。
米雇用統計
FXにおいて、米＝アメリカになり、この米雇用統計とはすなわち現在のアメリカにおける雇用状況を表している経済指標になります。
そして、現在の世界経済の中心とも言えるアメリカの雇用状況なので、この米雇用統計の発表時には為替相場が大きく動く可能性が高くなっています。過去には、米雇用統計の発表時にUSD/JPYが1円以上動いたケースもあるため、この米雇用統計の発表時には十分注意が必要です。
ちなみに、この米雇用統計ですが、
●非農業部門雇用者数変化・失業率
という、2つの経済指標から成り立っており、両方とも良い（または悪い）数字であればかなり為替相場が動きます。
また、この米雇用統計の発表では為替相場が大きく動く可能性があるため、あらかじめどちらか一方への動きを予測して注文（指値）を入れる方がいます。
ただ、米雇用統計の発表時にはFX会社の取引システムが正常に作動しないケースがあり、その結果指値と大きく乖離して注文が約定して損失が出てしまう可能性があるため、こうした特殊な取引手法はFX初心者の方にはお勧めしません。
ＡＤＰ雇用統計
このADP雇用統計ですが、これもアメリカの雇用統計の経済指標になります。ただ、このADP雇用統計は、アメリカ国内の民間企業ADP社が毎月特定の企業にアンケートを取って、その結果を公表している指標になります。
ただ、このADP雇用統計は、先程の米雇用統計の前哨指標となっているため、その内容次第では為替相場が大きく動く可能性があります。
ＩＳＭ製造業・非製造業景況指数
このISM製造業及び非製造業景況指数ですが、アメリカの全米供給管理協会（ISM）が毎月発表しており、アメリカ国内にある製造業300社以上（非製造業は370社以上）にアンケートを取ってその景気状況を表している指標となっています。
そして、製造業・非製造業ともに、0％～100％までの間で発表されており、51％以上は景気良好、49％以下は景気後退と判断されます。（50％はどちらでもない）
政策金利の発表
政策金利＝各国の中央銀行が一般の銀行へ貸し出す際の金利となっており、この政策金利は私たちの日常生活において大きな影響を及ぼしています。
例えば、低金利であれば銀行から低金利で融資を受ける事が出来る反面、預金の利息が低くなります。また、高金利であれば預金利息は高くなりますが、その反面融資を受ける際の金利も高くなってしまいます。
そして、この政策金利の発表ですが、基本的には為替市場の予測の範囲内であれば、為替相場はそれほど大きく動く事はありません。ただ、為替市場の予測に反して利上げ、利下げがあった場合には、為替相場が大きく動く可能性があるため、その発表時間には十分注意する必要があります。
各国消費者物価指数
消費者物価指数とは、小売商品の価格変動を表す指標であり、消費者物価指数によって現在の小売価格が上昇傾向にあるのか？下落傾向にあるのか？が分かります。
という事は、消費者物価指数＝現在の国内の物価価格がインフレ傾向なのか？デフレ傾向なのか？が分かるため、指標結果によっては為替相場が動く可能性があります。
まとめ
FXでは、様々な要因でいきなり為替相場が動く事があるため、それぞれに対応する必要がありますが、この経済指標の発表はあらかじめその発表時間が指定されているため、指標の発表時間を抑えておく事で為替相場の動きにも対応する事が可能です。
そのため、FXを行う際には、こうした重要な経済指標の発表時間を頭の中に入れておき、為替相場が大きく動いたとしても冷静に対処して下さい。
